はじめまして、モチヅキスタッフ台湾担当のニコルです。
コロナ禍で行きたいところに行けないし、やりたいことが出来ない!
そんな時は、気持ちだけでも旅をしましょう!
僕を含め、モチヅキスタッフには遊びをこじらせた変態スタッフが多くいます。
これから何回かに分けて僕を含めたモチヅキスタッフの旅や冒険の記録や記憶をご紹介したいと思います。
今回は、私が行ったデナリ遠征の記録を書かせていただきます。
目次
Toggle初めてのアラスカ
2015年5月18日日本時間0時30分。北京国際空港発ロサンゼルス空港行き航空機の中で目覚めた。備え付けの機内モニターにはマップを表示出来、現在地はちょうどアンカレッジ国際空港の真上だった。長時間のフライトにおいてトイレに行きにくいという巨大なリスクを背負ってまで選んだ窓側の席。窓の外は夢にまで見たアラスカの上空だ。意を決してシェードを開ける。
窓の下は、どこまでもどこまで続く白い山嶺。北アルプス何百個分の雪山なんだ!
こ、これがアラスカ!!!!!!
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
な、わけもなく、山みたいな雲海が眼下に広がっているだけだった。
ロサンゼルス空港でアラスカ航空に乗り換え、国内線のハッピーな接客にアメリカに来た実感を感じつつ、数時間前に上空を通り過ぎたアンカレッジ国際空港についにたどり着く。
入国審査では大量に持ち込んだアルファ化米に麻薬疑惑が浮上し小一時間押し問答があったもののなんとか、アラスカの大地に足を踏み入れることができた。
アンカレッジでの買い出し
日本から3週間分のアルファ化米を持ち込んだものの、クライミングギアやスキーなどの大物があり預入荷物の無料枠ギリギリになるため基本的に食材は現地調達を予定していた。
ホステルのスタッフが言うには、SAGAYAに行けばジャパニーズフードが売ってあるというので、バスに乗ってSAGAYAへ向かった。
スタッフの言う通り、味噌やみりん、醤油などの日本の調味料が揃えられていた。
どうやら、日本人の女性がSAGAYAの創設者らしく、気の所為ではなくSAGAYAは佐賀屋、日本ルーツのスーパーだったのだ。
カップ麺や、ご褒美の厚いベーコン、インスタント味噌汁、その他行動食を3週間分ゲットすることが出来た。
長ければ3週間ほど山行に時間がかかるデナリ登山では、軽量化のためドライフードばかりになりがちだが、ベーコンのような精神を安定させるご褒美を用意しておくことが重要になる。
天候が崩れると何日もテントに閉じ込められるので、本などを持っていくことが僕のような単独行者には重要になる。
デナリへの前衛基地タルキートナ
アンカレッジに着いた翌日の5月17日。
足早にアンカレッジを去り、デナリへ挑戦する者の殆どが滞在するタルキートナへ移動する。
植村直己の本を読んで育った僕にはよく耳にした地だ。
アンカレッジを出て30分もしないうちに、ミニバスの窓の外はTHEアラスカな風景に切り替わる。
手前に草原が広がり、その向こうには日本で言うところの北アルプス的な山がどこまでも連なっている。
道中、スーパーやガソリンスタンドで休憩をいれながら果てしない直線の道を6時間ほど進むとタルキートナへ到着した。
植村直己御用達のLatitude 62を見たが、特に感慨はわかなかった…
実は、植村直己の本でもデナリについての書籍は読んだことが無いのだ。読むと、憧れの冒険家が自分の中でも死んでしまう気がして避けていたのである。何度も近くを通った植村直己記念館にもまだ入ったことは無い。
まだ、僕の中では植村直己は冒険を続けているのである。
さて、デナリへの登山をする場合は基本的にカヒルトナ氷河へセスナに乗って移動するが、タルキートナにはいくつか航空会社があり僕はK2アビエーションを利用した。
K2アビエーション前でミニバスを降り、中学生レベルの英語で受付を済ませる。
予約は翌日の5月18日だったが、現地の天候が悪いらしく天候待ちとのことだった。
翌日も天候は良くないらしく、フライトの見通しは立たなかったが、すぐに飛べる準備だけはしておけと言われ待っていた。
飛行機が飛ぶまでの間は、時間をつぶすしか無いのでタルキートナの町をぶらついたり、グルメを楽しんだり、トレイルを歩いたりして時間を過ごした。
タルキートナの側を流れるサスティナ川からは、デナリ、フォーレイカー、ハンターを拝むことが出来た
デナリはあまりにも大きいので、本当は100kmくらい離れているのに松本から北アルプスを眺めているような不思議な錯覚に陥った。
デナリでは、すでに60人ほど入山しているとのことだったが2週間ほど継続して天候が悪く、多くの登山者がC4(メディカルキャンプ)で天候待ちしているとのことだった。
飛行機の乗客も順番待ちをしており、僕の順番は明日以降だろうとのことだった。
そんな情報だったので、あてがわれたバンクハウスで寝ていると急にスタッフに起こされ、本当は順番はまだだけど団体客に一人空きが出来たから乗ってくれ!とのこと。
時間は18時。今から!?
と、混乱しながらも、あれよあれよと話は進み飛行機に乗り込んだ。
2時間後には白夜のカルヒトナベースキャンプに立っていたのであった…
次回から、デナリ登山開始です!