キャンプで焚火をするときに活躍する鉈(なた)。
鉈は元々、林業や農業などなど仕事で使うために作られた道具です。
なので、耐久性は折り紙付き。
まさに一生モノの道具ですが、一生モノになるかは使う人次第です!!
ご存知の通り刃物は使えば使うほど刃が丸くなり切れ味はなくなります。
刃が無くなると、それはただの鋭角な鈍器!刃物ではありません。
切れ味など無用!鉈は鈍器!!という方もおられるでしょうし、人それぞれ考え方は千差万別です。
が!
道具は正しく機能してこそ輝くものだと、メーカーとしては思うのでございます。。。
刃が無い状態でも、叩き割ったり、バトニングをすれば割れるのですが、刃だけではなく柄にもダメージがどんどん入るようになっていきます。
大事なことなのでもう一度言いますが、一生モノになるかどうかは使う人次第です。
鉈の機能を維持するには、刃研ぎが必要です。
今回は、簡単に刃研ぎをする方法をご紹介します。
前置きなど不要!という方は研ぎ方に飛んでください。
ちなみに、鉈の錆を防ぎたい時、錆びてしまった時の対策はこちらの記事を参考にしてみてください!
目次
Toggle早くて簡単!鉈の刃研ぎを簡単にする砥石
でも、刃研ぎは大変でしょう?
鋼だと固くて大変そう。。
その気持わかります。
そこで、TEPPAのハンディストーンの登場です!(テレフォンショッキング風)
ハンディストーン 鉈用
¥4,070
刃物を長持ちさせる携帯用の砥石
携行性に優れるスティック型の砥石です。水に漬ける必要がなく、さっと濡らすだけですぐに使用可能。定期的にメンテナンスすることで刃の寿命を伸ばすことができます。
このハンディストーンを使えば簡単に刃を研ぐことが出来ます。
もちろん、ハンディストーンじゃない砥石でも出来ますが、ハンディストーンは鉈用に作られた商品ですのでおすすめです。
このハンディストーンはダイヤモンドシャープナーではなく、一般的な砥石をスティック状にしたものです。
どちらも砥石ですが、ダイヤモンドシャープナーが刃を敢えて荒らしてノコギリ状にして切れ味を一時的に上げるのに対して、ハンディストーンは実際に刃を付けて切れ味を上げる砥石です。
簡易刃研ぎで、本格的な刃研ぎを予防しよう!
すでにおわかりかと思いますが、ハンディストーンは簡易的な刃研ぎをするための道具です。
この砥石を使っても本格的な刃研ぎができるわけではありません。
しかし、この簡易刃研ぎをすることが、時間も技術も必要な本格的な刃研ぎを予防することになるのです。
研ぎすぎることが無いので本格的な刃研ぎを予防出来ます。
定期的に行えば、すぐに刃がつくので刃先だけを少し研ぐだけで良いので切刃の消耗を抑えることが出来て大変な作業になる本格的な刃研ぎを予防できます。
切れ味を維持することで無駄な刃の消耗を防ぐ。
切れ味が維持されていれば、無理に叩いたり、ねじったり、時間をかけたりする必要が無いので刃の消耗を防ぐことが出来ます。
刃研ぎの仕組み
鉈の刃は次の図のような構造になっています。
一般的に刃と思われている部分は、鎬筋より下の部分です。(しのぎを削るのしのぎです)
鎬筋より下の角度がついた部分を切刃といい、その先の部分を刃先といいます。
実際に刃(切る)の部分は刃先の部分で、刃先をズームして断面を見ると次の図の様になっています。
鎬筋から刃先までの切刃部分の角度から、刃先は更に角度がついているのがわかると思います。
この部分が刃になります。
刃は硬いほうが切れ味が良いため、全鋼や先端だけ鋼を使った鋼付の刃物が多いです。
刃が消耗すると次のように先端が丸くなります。
刃先が丸くなれば丸くなるほど切れ味が落ちていきます。
切れ味を戻すには、刃研ぎをする必要があります。
刃研ぎでは、次の図の破線のように刃先を削ることで切れ味を維持させます。
これが刃研ぎの仕組みです。
定期的に簡易刃研ぎしよう。
切れ味が完全に無くなる前に簡易刃研ぎをすれば、上図の用に、最低限の削りで切れ味を維持できます。
切れ味があれば無駄な力を省けて、薪もすぐに割れるので、刃が丸くなるのも最低限にすることが出来ます。
もし可能であれば、使い終わったら研いでからしまうというのがベストでしょう。
簡易刃研ぎを怠ると本格的な刃研ぎが必要に
簡易刃研ぎを怠っていると、次のような事が発生します。
- 刃先を消耗しすぎる。
- 切れ味がないので刃先が潰してしまう。
こうなったら本格的な刃研ぎが必要になり、切刃を大きく削る必要があります。
次の図のように、簡易刃研ぎに比べて破線までに削る量がかなり多くなります。大きく削る必要がある場合は他に様々な砥石が必要になりハンディストーンでは出来ません。
また、上の図を見るとわかると思いますが、刃先の始まる位置がかなり上に移動してしまう事がわかると思います。
このような本格的な刃研ぎを繰り返すと、切刃は角度がついているので刃先が上に上がれば上がるほど削る量が増えていきますので刃研ぎが困難になっていきます。
また、切刃が小さくなると、どんどん鈍角になり薪割も困難になっていきます。地面を叩いてしまって刃こぼれしてしまっても同様です。
これを解決するためには、鎬から削り直すという大工事が必要になります。
こうなったら、もはや刃研ぎのプロに頼むか、もしくは自分が刃研ぎの技を磨くしかなくなります。
正直簡単ではありません!(が、個人的に非常に好きなので後日別記事で紹介したいと思います。)
もし、そうなってしまった場合は、TEPPAの焚火鉈シリーズをお持ちの方は、株式会社モチヅキのユーザーサポートにお問い合わせください。
研ぎ直しも行っています。
まずはこうならないように、簡易刃研ぎで予防しましょう!
刃研ぎの方法
準備するもの
- ハンディストーン
- 水
注意!
刃研ぎは自己責任です。
刃研ぎは、少し危険が伴います。しかし、刃研ぎができて初めて一人前といってもいいほど重要なことですので是非挑戦してほしいメンテナンスです。
刃を研いでいて指を切っても自分の失敗として戒めとし、次に活かしましょう!
研ぎ方動画
研ぎ方
1 .ハンディストーンに水をつける。
ハンディストーンは水に浸け込む必要はありません。水を適当にさらっとつければ準備完了です。
2.鉈を固定します。
座って、腿に軽く押し付け動かないように固定しましょう。
3.鉈は30°くらい、ハンディストーンは地面に平行に。
難しく考える必要はありません。
写真のように大体30°くらいに傾けましょう。
あとは、ハンディストーンを地面に平行にして刃に当てるだけです。
4.研ぐ
力を込める必要はありません。
軽く30往復くらい研ぎましょう。
6.鉈を反対側に倒す
砥げていたら、両刃の場合は反対側も研ぎます。
7.鉈は30°くらい、ハンディストーンは地面に平行に。
先程までとは反対側に地面に対して鉈を30°に傾けましょう。
先程と同様にハンディストーンは地面に平行にあてます。
8.研ぎます
反対側と同様にバリができるまで研ぎます。
9.バリを確認する
バリが確認できたら研ぎは十分です。
10.反対側を2回こする
最後にバリが出来ている側を2回ササッとハンディストーンでこすり、バリを払います。
11.刃研ぎ完了
バリが取れたら刃を優しく撫でるとつるつるになり、刃研ぎは完了です。
紙を切るなり、野菜を切るなり切れ味を確認してみてください!