春や秋などの季節の変わり目では、テント泊と結露の関係は切っても切れない関係にあります。
答えから言うと、テント泊で結露を完全に防ぐことは基本的にできません。
結露が発生しない気象条件があるのみで、それは自然に完全に依存しています。
アウトドア、正確にはアウトドアアクティビティは、文字通りドアの外、具体的に言うと街の外にある自然での活動のことです。
自然で遊ぶということは結露を含めたくさんの不便や、自然が起こす想定外の出来事に出会うことが前提となります。
しかし、その不便さこそがアウトドアの楽しさに繋がっており、さらにアウトドアを面白くするのだと思います。
自然は雄大で人間ではどうすることも出来ない相手です。
しかし、その自然で遊ぶのなら、自然に対しての知識を持っていて損は無いですし、理解が深まるとアウトドアをより楽しめるのでは無いでしょうか。
今回は、結露はなぜ発生するのかを考えてみましょう。
目次
Toggle結露の原因
結露の原因はなにか、それは体や地面などから発生する水蒸気です。
水蒸気が液体となりテント内に付着した状態を結露といいます。
テント内では、呼気や体全体から常に水蒸気が発生していますが、温度がある程度高いと見えないまま蒸発して消えてしまいます。
しかし、秋や冬、雨天などで気温が下がるとそうはいきません。
外の温度が低いと、水蒸気が水に変わるのですが、その理屈を以下の例で理解しましょう。
キーワードは、気温、水蒸気、飽和水蒸気量です。
水蒸気とは・・・
水には3つの状態があり、それぞれ気体、液体、個体となります。
この中でも気体の状態を水蒸気と呼びます。
水蒸気は気体なので見えません。
気体が凝縮すると、液体の水になります。さらに凝縮すると個体の氷になります。
よく勘違いされていますが、霧や湯気、息が白くなってるいるあれは水蒸気でははありません。(水蒸気も含まれます)
白く見える部分は水蒸気(気体)が水に変身し浮遊している小さな塵にくっついて、空気中に浮遊している状態なのです。
飽和水蒸気量とは・・・
1㎥の空間にどのくらい水蒸気が入るかを表したものです。(20℃で12.8g)
量は温度や、気圧で量は変わります。
でも、わかりにくいので、ここでは温度によって広さが変わる部屋と考えてください。
この部屋にいると、気体(水蒸気)でいることが出来ます。部屋を出ると液体の水や個体の氷になります。
この部屋は、暖かくなると広くなり、冷えると狭くなってしまう不思議な部屋です。
水蒸気は、飽和水蒸気量を超えると凝結という現象が起こります。
凝結すると気体は液体に変わります。
結露には凝結が重要に関わっています。
それでは凝結を例え話で見ていきましょう。
凝結を理解しよう
今、部屋には水蒸気が入っています。
図1
気温は15℃。
15℃の部屋には最大15個のH2Oが入ります。(例です。)
その部屋には10個のH2Oが入っています。
最大15個入ることができ広いので、ソーシャルディスタンスをとってそれぞれ離れた状態になって動き回っています。
余談ですが、このソーシャルディスタンスが取れた状態を気体といいます。
図2
温度が下がって、部屋が狭くなってしまいました。
5℃の部屋には5個しかH2Oが入りません。
狭い部屋に押しつぶされたH2O 5個は、これはたまらないと、他のH2Oと手をつなぎ水に変身して部屋から飛び出します。
このように、飽和水蒸気量を超え水蒸気が水へ変わる事を凝結といいます。
結露
このように、体や呼気、地面から発生した水蒸気は温度が下がることで水になる法則があります。
結露も、この法則で発生します。
温かい気体は密度が低く軽いため、風船のように上へ浮き上がる性質があります。
テント外の気温が低い場合、温かい水蒸気を含んだ気体は浮き上がり、ついにはフライシートにぶつかります。
外気と接しているフライシートは、冷えているため、あたった瞬間に限界を超え凝結し水蒸気は水滴に変身してフライシートに付着します。
これが、いわゆる結露です。
自然界では四季や昼夜、天候で気温が変化します。
しかし、人間の体は約36℃前後を常にキープしています。
水蒸気も体から発生した時点では36℃前後となるため、テント内で結露を完全に防ぐことはできないのです。