ひとくちにマットレスといっても、分厚いエアマットから一体型までさまざま。
自分に合ったものを選ぶために、それぞれの特徴を理解しましょう。
文・伊藤俊明 写真・山本 智
アウトドアの寝具といえば真っ先に寝袋を思い浮かべますが、寝袋と同じように大切なのがスリーピングマットレス(以下、マットレス)です。どんなに暖かい寝袋も、マットレスが不十分ではその性能を引き出すことができません。快適な睡眠のために、寝袋同様に慎重に選びたい装備です。
マットレスを選ぶ際は、地面の凹凸を緩和するクッション性だけでなく、断熱性にも注目しましょう。就寝時、体温は地面と接する背中から奪われます。このとき、断熱性の高いマットレスを使用することで体温のロスを抑えることができます。つまり、断熱性が高いマットレスを選べば、同じ寝袋でもより暖かく眠れるということです。断熱性はR値で示され、数字が大きくなるほど高くなります。
収納サイズ
左からZライトソル、トレイルプロライト、ネオエアーXライトNXT、ネオロフト。コンパクトさはエアマットが有利。クローズドセルはバックパックに外付けして持ち運ぶ。
クッション性の違い
上がZライトソル、下がネオエアaーXライトNXT。実際のテント設営時は地面の石などは取り除くが、厚みのあるエアマットなら、大きな石があってもわからないほど。
パッキング
クローズドセルのマットは自分好みのサイズに切って使えるという利点があり、UL系バックパックのフレーム代わりにするユーザーも多い。画像は定番のリッジレスト。
サイズの違い
快適性を優先するならレギュラーやワイドサイズ。軽量・コンパクトにしたいならショートサイズ。ショートサイズは足元にバックパックなどを敷くことでクッション性を補える。
現在流通するマットレスは3タイプ。主流は空気を入れて膨らませる「エアマット」です。軽量で、使用時はまるで自宅のベッドのようなクッション性を備えながら、空気を抜けばコンパクトに収納可能。難点はパンクに弱いこと。空気が抜けてしまうとクッション性も断熱性も失われるため、使用時は尖った石を取り除くなど、できるかぎり注意しましょう。
ウレタンフォームの外側を薄手の生地で覆っているのが「セルフインフレータブル(自動膨張式)」です。エアマット同様パンクのリスクはありますが、ウレタンフォームの分、最低限のクッション性は確保できます。
クローズドセル
水分を含まない架橋ポリエチレン製。クッション性は本体の厚さ次第で、嵩張るため携行時はバックパックへの外付けが必要だが、パンクなどのトラブルは皆無で長期の旅でも安心して使える。Zライトソルは片面にアルミを蒸着。体温を反射して暖かく眠れる。
セルフインフレータブル
バルブを開くと内蔵するウレタンフォームが空気を含むセルフインフレータブル(自動膨張式)。パンクのリスクはあるが、その場合もフォームの分のクッション性は確保できる。トレイルプロライトはフォームの凹凸を交互に配置し、断熱性と収納性を両立している。
エアマット
空気を入れて膨らませるマットレス。パンクには注意が必要だが、軽さ、コンパクトさ、クッション性の三拍子が揃う現在の主流。ネオエアーXライトNXTは、体温を反射しつつ地面からの冷気を防ぐサーマキャプチャーを内蔵。クラストップの断熱を誇る。
エアマット(バックパッキングコンフォート)
エアマットは携行性重視の軽量・コンパクトタイプから快適性重視のラグジュアリータイプまで多様な選択肢が揃う。ネオロフトはサーマキャプチャーによる優れた断熱性やクッション性にくわえ、肌触りも良いラグジュアリータイプの筆頭。山の硬い地面も自宅のベッドと変わらぬ寝心地に変えてくれる。
3タイプのなかでもっともシンプルなのが「クローズドセル」です。ポリエチレンなどの発泡性の素材でできており、エアマットのように小さくはなりませんが、パンクのリスクはゼロ。携行には工夫が必要ですが耐久性は抜群です。
睡眠は、食事と合わせて翌日の行動に向けて疲労を回復させる大切な時間です。マットレスの本質であるクッション性や断熱性にくわえて、3タイプそれぞれの特徴を理解し、数ある製品から用途に合ったモデルを選んでください。
| クローズドセル | セルフインフレータブル | エアマット | エアマット (バックパッキングコンフォート) | |
|---|---|---|---|---|
| 代表モデル | Zライトソル | トレイルプロライト | ネオエアーXライトNXT | ネオロフト |
| 商品画像 |
|
|
|
|
| 快適性 (厚さ) | ★ 地面の凹凸を感じる (2.0cm) | ★★ ある程度までは凹凸を軽減 (5.0cm) | ★★★ 凹凸をほぼ感じない (7.6cm) | ★★★★ 凹凸をまったく感じない (11.7cm) |
| 断熱性 (R値) | 1.7 ~ 2.0 | 2.2 ~ 7.3 | 2.4 ~ 7.0 | 4.7 |
| 収納性 (収納サイズ※) | ★ 外付けが必要 (51×13×14cm) | ★★ 嵩張る (28×17cm) | ★★★★ コンパクト (23×10cm) | ★★★ やや嵩張る (24×14cm) |
| 重量 | 410g | 680g | 370g | 710g |
| パンクのリスク | ★★★★ パンクしない | ★★★ パンクしてもウレタンフォーム分のクッションは確保 | ★★ 取り扱いには注意が必要 | ★★ 生地が厚い分リスクは少ないが取り扱いには注意が必要 |
※スペックはいずれもレギュラーサイズのもの
※断熱性は各タイプの中でもモデルによって異なる







