週末ごとにアウトドアへ呼ばれる人も、年に一度の家族や友人とのキャンプがちょうどいいという人も――
テントを長く使い続けるためには、正しいお手入れが欠かせません。
ここでは、テントをより長持ちさせるための簡単なケアのコツを6つご紹介します。
1.濡れたままテントを保管しないでください

テントが濡れたまま、あるいは湿った状態で保管されると、生地や防水コーティングの劣化を早める原因になります。
そのため、テントを長持ちさせるための第一のルールは、テントを清潔で乾燥した状態にし、温度と湿度が管理された場所に保管することです。
キャンプから帰ったら、たとえ雨が降っていなかったとしても、テントをロープなどに広げて丸一日乾かしてください。テントの床は夜露で濡れますし、寝ている間に体から出る湿気で、生地は見た目にはわからなくても湿っていることがあります。
完全に乾いたら、テントは付属のスタッフサックではなく、通気性のあるゆったりとしたメッシュバッグに保管しましょう。
これは、テント内に湿気がこもるのを防ぐだけでなく、ファスナーや生地にもやさしく、長持ちにつながります。
2.ポールを丁寧に扱いましょう

ポールの損傷は、ほとんどがテントの設営中に発生します。フレームを組み立てる際には、ポールの節同士がぶつかってガチンと音を立てるような扱いを避けてください。このような衝撃は、端部にへこみやヒビを生じさせ、ポールの強度を損なう原因になります。
また、曲げる前に、各セグメントがしっかりと奥まで差し込まれていることを必ず確認してください。完全に差し込まれていない状態でポールを曲げると、側面に過度な力がかかり、ポールが変形したり破損したりする非常に一般的な原因となります。
丁寧な取り扱いが、ポールの耐久性を大きく左右します。

ポールを分解する際は、中央から外側に向かって順番に外していくことで、ショックコード(内部のゴム)にかかるテンションを均等に分散できます。これにより、コードの劣化を防ぎやすくなります。
また、砂ぼこりが多い場所や海辺など塩分を含んだ環境で使用した場合は、必ずポールを真水で洗い流し、特に接合部分を丁寧に洗ってください。その後、しっかりと乾かしてから収納するようにしましょう。
なお、ショックコードは時間とともに劣化し、古い輪ゴムのように乾燥して弾力がなくなります。ですが、交換はそれほど難しくなく、私たちの解説動画でも手順をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
3.テントにはフットプリント(グラウンドシート)を使いましょう

フットプリントは、テントの床面を清潔で乾燥した状態に保ち、過度な摩耗から守るために設計されています。
テントの底面に水や汚れが直接触れるのを防ぐことで、撤収時にもテントをきれいに保ちやすくなります。
4.ファスナーは丁寧に扱いましょう

ファスナーを長持ちさせるために最も大切なのは、ゆっくり動かし、開閉時は両手を使うことです。
テントの生地は張った状態で設営されるため、ファスナーには常にある程度のテンションがかかっています。特にカーブ部分では、もう一方の手でファスナーをサポートすることで、金属スライダーや歯の摩耗を軽減し、スムーズな動きを保ちやすくなります。
また、ファスナーの金属スライダーは細かい砂や埃が溜まると摩耗しやすくなり、歯をしっかり噛み合わせられなくなることがあります。掃除には古い歯ブラシがとても便利です。
ファスナーが引っかかる感じがする場合は、ワックス状のファスナー潤滑剤を使うと効果的です。Gear Aidなどの専用製品が市販されていますし、キャンドルワックスやスキーワックスをファスナーに塗ってスライダーを何度か往復させるだけでも良いです。ただし、リップクリームのような粘着性の強いワックスは避けてください。汚れを引き寄せやすく、落としにくくなります。
5.縫い目のシームシーリングを行いましょう(必要に応じて再施工も)

時間が経つと、湿気や熱、湿度によって、軽量素材のテントに使われているシームテープやシーラントが劣化してしまいます。縫い目からの漏れが気になり始めたら、シームシーリングを施すことで再び防水性を回復させることができます。
6.長時間の紫外線(UV)曝露を避けましょう
テントは晴れの日も嵐の日も優れた保護を提供してくれます。しかし、自宅の庭でテントを設営したまま放置し、直射日光にさらし続けるのは避けましょう。紫外線(UV)はナイロン繊維を分解し、生地を乾燥させてもろくし、引っ張り強度を低下させます。これにより、縫い目やストレスがかかるジョイント部分が裂けやすくなってしまいます。
ポリエステルはナイロンに比べて多少UV耐性がありますが、使用しないときはどんなテントでも直射日光を避けて保管することが大切です。
テントを大切に手入れすれば、テントもあなたを守ってくれ、長い間一緒に冒険を楽しむことができるでしょう。