とにかくいつもこいつを被ってた。
過去何度か聞かれたことがある。
「どれだけ被ればそうなるんですか?」と。
聞いてきた人の頭には綺麗なヘリテイジキャップがある。
僕は「年間360日、2年ぐらい被ればこうなるよ」って答える。
これは比喩でもなんでもなくれっきとした事実。
山、川、湖、海はもちろん、日々の日常もこいつ。ちょっとコンビニに行くのもこいつ。
だから被っていない自宅の中でもこいつはクローゼットの中なんかにいない、まるで愛犬のように常に横にいる。
共に登った山、釣り上げた魚は数知れず、どれだけの時間を共にしただろう。
購入したのは初めて日本で発売が始まった2017年だから8年か。
気に入りすぎて、壊れたり亡くしたとき用に予備を持っているぐらいだ。
ただのトラッカーキャップだから機能なんてなんにもないこのキャップを、何故ここまで気に入っているのか。それは何といってもこのヘリテイジロゴ!ピッケルのイラスト共に「Mountain Safety Research」(知らない人がいるかも知れないが、この頭文字を取ってMSRだ)と設立年、このなんとも言えない奥ゆかしい山ブランドのロゴにやられてしまったのだ。配色もただのブラックではなくダークグレーというのがいいじゃないですか!そして絶妙な被り心地!帽体が深めで風に強く、ツバもしっかりとした長さがあるので強い日差しから守ってくれる。
ただこの8年共にしたこいつもとうとう世代交代となった。
このBACKCOUNTRY RESEARCHの編集長から「キタねーから誌面にでるとき、人前に出るときは新しいのを被れ!」と。。
まぁ確かにお世辞にも綺麗とは言えないから仕方ないか、いい歳だし。。
今は逆にまた“育てる楽しみ”ができたと思っている。
小春日和の心地よい日、こんな日は外で原稿を書くに限る!
PCと缶ビール、そして真新しい相帽と共に。