フィールドギアレポート 日帰りトレッキング編

標高1,400 mの湿原に高山植物が咲き誇る夏の尾瀬ヶ原。誰もが気軽に足を踏み入れることができる北関東を代表する避暑地である。その湿原を舞台に活躍する登山ガイドの館山美和さんと松原美成子さん。ふたりがめざす頂は、尾瀬の名峰、標高2,228 mの至仏山。日差しや風を遮る樹林帯がない稜線では、水分補給や紫外線対策、汗冷えによる低体温症に注意が必要。尾瀬の魅力は、この地をよく知るふたりの笑顔が表している。

今回は、尾瀬ガイドの二人に使用しているギアについて紹介してもらった。

この記事は、全国のアウトドアショップの店頭にて無料配布中の、アウトドアギアスタイルブック「BACKCOUNTRY RESEARCH 2021」の連動記事です。

【プロフィール】
館山美和さん&松原美成子さん

夏場は尾瀬、谷川岳周辺エリアを中心に登山ガイドとして活動している二人。冬も仕事やプライベートでもスキー、スノーボード、バックカントリーを楽しみ、フルシーズン山に関わっている。二人の明るい人柄から同業者、ゲストに慕われ、リピーターさんが多い。館山さんは2019年冬、ガイドクラブ「goma seal」(ゴマシール)を立ち上げスノーボードレッスン、初心者BCツアーなどを企画している。

【GEAR No.1】platypus|ホーサー

山登りでの水分補給は季節、天気、行動時間、登山道の感じによって、そのとき使う水筒を選んでます。行動時間が長く登りが急だったりしたときはハイドレーションシステム、なだらかなのんびりした山ではソフトボトルかプラスチックのハードボトルなどを使い分けてます。ハイドレーションは小まめに水分補給ができ、歩きながらでも飲めます。急斜面で息が上がったときでも、口元のバイトバルブをくわえれば水を一瞬で補給でき、無駄な動作がありません。ボトルの場合はバックパックを降ろしたり、ボトルの出し入れをする動作も疲れているときは面倒です。面倒だと水分補給の頻度がさがり熱中症や脱水症状の原因になってしまいます。登山ガイドでお客様を連れて歩いているときは、なるべく小まめに水分補給できるように休憩のタイミングを多くしています。

ホーサーは自分に合った容量を4種類から選べます。またホースを外して別売りのキャップをつけると、ウォータータンクのような使い方もできるので、調理をするテント泊でも重宝しますね。

ホーサー

¥3,190(税込)

【GEAR No.2】packtowl|ウルトラライト

山でも温泉でも、一度使ったらこのタオルは手放せません。とにかく軽くて嵩張らずコンパクトに収納できるので、山に持っていくことをおすすめしたいです。汗を拭くのはもちろんですが、逆に暑いときは濡らして、首に巻いて熱中症対策にもなります。普通の綿タオルも汗はよく吸いますが、濡れるとどんどん重くなりますよね。この速乾タオルは女性の力でも軽く絞るだけで半分乾いたような状態になるため、暖かくて天気が良ければ1、2時間でほとんど乾いています。山の帰りの温泉でも使えますし、旅行にも必ず持っていきますね。

ウルトラライト

¥4,070(税込)

【GEAR No.3】THERM-A-REST|Zシート

バックパックの横に付けておけば、さっと取り出してちょっとの休憩でも使えます。見晴らしのいい岩の上での休憩は、日差しで暖かそうでも少し長く座ると冷たいんです。硬いので疲れます。1枚この座布団があるだけで快適な休憩がとれます。

また、この座布団は骨折のような怪我をしてしまったときに、添木のような使い方で腕や脚に巻いて保護/固定することもできる救急道具の代用になります。そして万が一のビバークを考えると座布団があるかないかは大きいので、忘れずに持って行きたい装備です。

Zシートソル

¥2,420(税込)

【GEAR No.4】MSR|ダイナロック アッセント ポール

軽くて持ち運びも苦にならないカーボン製のトレッキングポールです。常時使うわけではありませんが、場面を選んで出しています。3本に折り畳むとバックパックの中に仕舞えるほど小さくなり、長さ調整も簡単です。実は冬のバックカントリーをメインに使ってるのでオールシーズン使えるポールなんですよ。

ダイナロック アッセント ポール

¥22,000(税込)

【GEAR No.5】熊鈴|熊よけリンリン

グループで行動するときは、おしゃべりが賑やかなので熊鈴は鳴らしませんが、早朝で少人数のとき、人が少ないときは鳴らして歩きます。この熊鈴は音色がキレイで遠くまで響きます。音の質は風鈴のように私には心地よく聞こえます。

熊よけリンリン

¥4,356(税込)

【GEAR No.6】R×L|TMW-36

山登りではメリノウールソックスが定番だと思いますが、右足、左足用で作られているこのR×L(アールエル)ソックスは特別な気がします。しっかり左右の足型に合わせて作られているので、今まで使ってきた他ブランドに比べフィット感が格段によく感じます。長時間歩いていても疲れにくいソックスだと思います。土踏まずのところが形に合わせて立体的にサポートが効いていますね。気持ち良いくらいフィット感抜群です。登山ガイドで2シーズンで200日ほど履きましたが、少し生地が薄くなるくらいでまだ破れていません。耐久性もあります。また、登山後脱いだときに、さらっとしていて足蒸れもほとんど感じません。良質なメリノウールの力ですかね。予備も購入してありますが、なかなか新しいものが出せなくてうれしい悩みです。

TMW-36

¥3,080(税込)

【GEAR No.7】UCO|ベータ

ウッド調でかわいいデザインが気に入ってます。おもちゃのように見えますが、明るさが200ルーメンもあり、本格的なヘッドランプに引けをとりません。それでいて軽量88gで照射角度もスムーズに調整できます。バンドのゴムは肌触りとフィット感もよく長時間着けていても疲れません。軽いのでキャンプのときは首にさげて無くさないようにしています。

ベータ

¥4,180(税込)

【GEAR No.8】Husegu|フレキシブル ウルトラライト ヘッドネット

今まで使ったヘッドネットで1番視界が良好なネットだと思いました。視界がよいだけでなく、アゴ側が長く後頭部側が短く作られいることで、ネットのボリュームのバランスがよく、被っていても動きを妨げずストレスになりません。蚊、ブユが多い山登りだけでなく、普段は農家さんの畑の手伝いでも使ってます。約18gと超コンパクトです。

フレキシブル ウルトラライト ヘッドネット

¥1,540(税込)

【GEAR No.9】SEALLINE|ブロッカーライトドライサック

山登りの装備で濡らしたくない、替えの衣類や貴重品入れに使ってます。
内側がよく滑り衣類は入れやすいんです。ロールダウン式で空気を押し出して圧縮しやすく小さくまとめられます。20Dで薄く軽いのに、強度もあり防水も安心です。
ブロック型の形状で四角くバックパックへの整理もデッドスペースを作りません。
突然来る夕立にいつも備えています。

ブロッカーライトドライサック

¥2,530(税込)

【GEAR No.10】platypus|ソフトボトル

行動中の水筒としても、予備用の水タンクとしても、軽量で丸めてコンパクトに収納できるソフトボトルは山の定番ですね。
匂いが付きづらい素材なので、湧き水を汲んで美味しく飲めますし、耐久性があるので長く使えるのもうれしいです。夏場は冷凍庫で凍らせて持っていくこともあります。
※満水にすると破裂するので8分目ぐらいにしてます。また、山から帰った後は濡らしたままにするとカビが生えるので、早く乾かすように気を付けています。

ソフトボトル

¥1,320(税込)

【GEAR No.11】UCO|サバイバルマッチ

山でご飯を作ったり、コーヒーを淹れたりと調理にガスバーナーを使いますが、万が一ライターのガスがなかったり、雨で濡らして壊れて着火できなかったりしたら、1番楽しみの山ランチも台無しです。食べれないというのは体力や集中力を奪い、つまづいたり転んだりして怪我をする危険性も増えてきます。そんなトラブルに備えて非常用のマッチを装備に入れています。小さな防水コンテナに15本入です。雨でも強風でも、どんな状況でも燃え続けます。一瞬なら燃えているマッチを水の中に入れても完全には消えず、また燃えだすという不思議な加工がされています。冒険やサバイバル体験をするバラエティ番組でよく見かけてて、そんなきっかけから購入しました。商品名の通り本当にサバイバルマッチです。

サバイバルマッチ

¥660(税込)

【GEAR No.12】MSR|ピカ1Lティーポット

コーヒー通にはたまらい細くゆっくり注げるケトルです。お湯だけあればOKというときはクッカーでなくケトルを使っています。蓋が大きいためお手入れも簡単でケトルの中にガスバーナー、ライター、コーヒー、紅茶など小物を入れて持ち運べるます。もう少し広ければガス缶も一緒に入りそうですが、残念ながら入らないのです。ガス缶を収納できるようにしなかった理由は何かメーカーに意図があるんですかね。あとツルを立てて固定できるため、お湯を沸かしているときに熱くならないのも気に入ってます。

ピカ1Lティーポット

¥3,850(税込)

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