新鮮な野菜やお肉をどうやって食べるのがキャンプ料理で一番おいしいか。その答えは「炭火や焚き火調理」だと小雀さんは語る。炭火や焚き火で食材を焼くというシンプルな調理法だが、そのおいしさはほかの調理法とひと味もふた味も違う。
「ガスの火は素材とのあいだの空気を温めてその熱で加熱します。一方で、炭火や焚き火調理は火の輻射熱が直接素材に届くため、短時間で高温になって効率よく加熱できます。たとえばお肉の場合は遠赤外線が表面を高温で焼き固めるため、外側はパリッと焼き目がついて香ばしく、なかはふんわりと焼き上がって旨味もキープ。肉汁や、野菜ならその水分が炭や薪に落ちて煙が立ちのぼり、煙でいぶすような風味も加わります。それもまたいい調味料なんですよ。海辺でキャンプ料理をするならぜひ焚き火調理を取り入れてみてほしいですね」
目次
ToggleRecipe1 | 焼きイカとエビのグリルサラダ
食材を焚き火の熾火でサッと炙り焼きし、オリーブオイルや柑橘類を合わせるだけ! いぶされた煙のスモーキーな香りとさわやかなかぼすの風味が混ざり合い、何倍にも食材をおいしく仕上げてくれる。
材料(2人分)
イカゲソ | 3個 |
イカエンペラ | 3個 |
エビ | 10尾 |
インゲン | 10本 |
ヤングコーン | 6本 |
かぼす | 1個 |
醤油 | 大さじ1 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
ブラックペッパー | 適量 |
塩 | 適量 |
作り方
Step 1
熾火で具材を焼く
流木に火を付け、焚き火が熾火になったらインゲン、ヤングコーン、下処理して軽く塩をしたイカとエビをほどよく焦げ目を付けて焼く。焼く食材はお好みで何でも!
Step 2
お皿に盛る
焼けた食材から、お皿に移していく。
この時、大きい食材は一口大にカットする。
Step 3
調味料を絡める
醤油、オリーブオイルを加え絡めて、具材を整えて、かぼすのスライスを並べる。
Step 4
かぼすを絞り仕上げる
ブラックペッパーを振り、スライスしたかぼすの端を絞り入れて仕上げる。
Step 5
完成
Recipe2 | 牛モモ炙り焼き丼
炊き立てごはんにのせるのは、熾火でじっくり炙って火を通したローストビーフ。和風に味つけた薬味をのせれば、それだけで正真正銘のごちそうだ。おかわり必至なので、お米やお肉は増量でもよい!
材料(2人分)
牛モモ肉 | 300g |
タマネギ | 1/2個 |
長ネギ | 1/4本 |
お米 | 2合 |
砂糖 | 適量 |
麺つゆ | 適量 |
白ごま油 | 大さじ2 |
作り方
Step 1
肉を遠火で焼く
牛モモ肉を凧糸で巻き、写真のようにトライポッド(流木で作ってもいい)を使って熾火の上10cmほどのところに吊るして、遠火でときどき向きを変えながら30分ほど炙り焼きする。
Step 1-2
【焼き加減の判別方法】
手の薬指と親指で円(OKサインみたいな形)を作り、親指の付け根の膨らみの真ん中をもう片方の手の指で押す。押した感触と、焼いた肉の弾力が同じくらいなら中が「ミディアム」。中指との円ならミディアムレア、小指との円ならウェルダンとなる。参考まで!
Step 2
ご飯を炊く
お米2合と2合半分の水を入れしばらく浸水しておき、フタをして強火の焚き火でお米を炊き始める。弱火で7分炊き上げ、火から下ろして3分ほど蒸らす。簡単なパックごはんやアルファ化米を使ってもいい。
Step 3
玉ねぎを炒める
鍋に白ごま油を加え、焚き火の中火で熱し、輪切りにしたタマネギを加え少し焦げ目をつけながら炒める。
Step 4
味を決める
麺つゆを入れ、砂糖を加えて甘味をみながら味を整え、ソースを作る。
Step 5
器に盛る
お椀にご飯を盛り、ソースのタマネギを敷き、スライスした牛モモ肉を並べ、刻んだ長ネギを散らし、ソースをかける。
Step 6
完成
教えてくれた人
小雀陣二(こすずめ・じゅんじ)
アウトドアメーカー勤務などを経て、アウトドアコーディネーターとして独立。特技である料理の腕前を生かし、野外で役立つ料理を数多く紹介。シーカヤックは26歳で始め、ガイド業にも携わる。共著『“無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術』発売中