ネパールヒマラヤトリップ2023レポート|橋本 貴興

文: 橋本 貴興

2017、2019に続き3回目のネパールヒマラヤトリップ。これまでは大雪や雪崩の影響で思ったような山行ができていなく、今回のトリップは最奥のABC(アンナプルナベースキャンプ4130m )で時間の許す限り滞在して新たな斜面と向き合うことを目的とした。

エベレストをはじめ8000m級の山々が存在し、東西2400kmに渡り連なるヒマラヤ山脈。まさに世界の屋根という印象だが、ヒマラヤ山脈は緯度が南国沖縄とほぼ同じで標高の低いところで雪は降らず、3000m以上の積雪エリアがこのトリップのフィールドとなる。

雪山のフィールドとなる標高3000m。徐々に高度を上げると晴れから曇り、小雨、ミゾレ、雪と変化して行く。苔むす空間をタルチョ鮮やかにお出迎え。

Photographerの魚住 司、滑り手の中西 圭、江昌 秋、僕(橋本 貴興)、初参加でデザイナーの保良 雄、そして頼もしい山岳民族ネパリ(ネパール人)10名の計15名と共に過ごす刺激的な3週間。カトマンズを出発した僕らはサムルン(Samrung)までバス、ジープを乗り継ぎ、そこから歩き出した。

少しでも現地の言葉を覚えると旅が楽しくなる。

『タトパニディノス』= お湯を下さい。ネパール語の挨拶マナステの次に覚えた言葉だ。現地の言葉を使って通じると自然と笑顔になり、旅のボルテージも上がってくる。高山では蛇口を捻っても水は出ない、宿でお湯を購入しサーモスに移してちょこちょこ飲んで体を暖める。

日本を出てから10日目、僕らは目的地に到着した。

やっと辿り着いたABCは、サンスクリット語で「豊穣の女神」の意味を持ち世界10番目の高さを誇るアンナプルナⅠ(8091m)、神聖な山としてネパール政府から登山が禁止されている人類未到のマチャプチャレ(6993m)、僕たちがアッセント&デッセントさせてもらったヒウンチュリ(6441m)等々素晴らしい山々に囲まれている。ABCでは午前は晴天だが、午後になると雲が押し寄せて雪を降らす。日没前には名峰が再び顔をのぞかせ、夜には満天の星というサイクルだ。 そして毎朝、雪化粧したヒマラヤの山々に感動する。

今回のトリップが今までで一番山のコンディションが良く、何本ものラインを斜面に残すことができた。 トレッキングだけでも素晴らしい旅になる場所だが、 ヒマラヤに登り、スノーボードで滑走したことで目的が明確になり、旅の充実度が何倍にも膨らんだ。

ここではスノーボードだったが、サーフィン&スケートボードでも然り。

今後もトリップと横乗りという最高の組み合わせで自分を表現していきたいと実感させられたネパールヒマラヤトリップだった。

今回のジャパニーズメンバー。

使用ギアの紹介

MSR アクセス

国内は勿論、アラスカ、アンデス、そしてここヒマラヤと共に旅を続けるMSR Access tent。十分な居住スペースと強風や積雪に耐える高い剛性で今回も快適に過ごせた。

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