UCO|キャンドルランタンの世界

キャンプ道具のなかで最も進化し続けているのはランタンかもしれない。
光源タイプもガソリン・ガス・オイル・LED・ソーラー・キャンドルとアウトドアブームと相まって、
ラインナップが豊富になっている。
そのなかでいままた注目を集めているのがキャンドルランタンだ。

文・猪野正哉 写真・山本 智

 誰しもキャンプにおいて忘れられない景色があるはずだ。非日常な“富士山がドーンと見えたり”“数えきれないほどの満天の星空”などに出合えてしまうとよりキャンプにハマってしまう。そんな私はキャンプ場内のトイレから出たときに、眼下に広がっていた、数々のランタンの光で浮かび上がるテントサイトが幻想的で、見入ってしまった。昼間のざわざわした感じから一転、夜の静寂のなかランタンの光とところどころで揺らぐ焚き火の炎だけの世界は脳裏に焼き付いている。

複数のキャンドルランタンを灯せば、場の雰囲気がグッと増幅する。なんてことのない木の葉も演出に一役買ってくれている。

 そんなランタンはキャンプシーンにおいて、重要度が高いアイテム。街中と違い、日没後は真っ暗になってしまう。キャンプ場によっては街灯があるものの導線にあるだけで、各自で視界を確保しなくてはならない。月明りだけでは限界があり、手元や足元が見えなくなると不自由になり危険だ。キャンプ時間を満喫できない恐れがある。ただ、なかには人工的な明かりを持ち込まない“ノーライトキャンプ“自然光キャンプ”と称したスタイルもあるが、なかなかハードルが高く、初心者向けではない。それほどなくてはならないアイテムは、キャンプ道具の三種の神器とされている『テント、イス、シュラフ』に並ぶほどキャンプシーンでは重宝がられている。また光源があることで、暗闇への不安を解消してくれる。同じカテゴリーではあるがヘッドライトだと自分の視界だけがクリアになり、ヘッドライトを点灯したまま話しかけられると眩しすぎてたまったものではない。

マッチで擦った小さな炎がキャンドルへとバトンタッチ。どこか懐かしいマッチの匂いと炎の揺らぎは、心が安らいでしまう。

 しかし、いまの光源の主流になっているのはLEDタイプである。調光に加えて、携帯の充電ができてしまうものもある。確かに便利ではあるが、どこか味気なく、夜を過ごすためには申し分ないが、夜を味わいたいならキャンドルランタンだ。

 このUCOキャンドルランタンは、1971年の創業以来、半世紀以上にわたって一貫した思想のもと、作り続けている。流行や技術の進歩に合わせて姿を変えるギアが多いなかで、炎そのものが持つ力を信じ、基本的な構造や佇まいを大きく変えることなく受け継いできた。そこにあるのは、明るさや効率を競うのではなく、人が夜とどう向き合うかを大切にする姿勢だ。スイッチひとつで光を消してしまう現代において、火を灯すという行為は手間ではあるが、同時に贅沢でもある。UCOのキャンドルランタンは、そのひと手間を楽しむための道具だ。炎を眺め、時間の流れを感じ、静けさに耳を澄ます。その積み重ねが、半世紀を超えて変わらぬ支持へとつながっている。またキャンプシーンだけでなく、家での使い方も楽しめる。蛍光灯の灯りを落とし、テーブルの上に置けば、見慣れた部屋の雰囲気ががらりと変わり、揺れる炎を見つめれば、癒されもする。わざわざキャンプ場へ出かけなくても、少しだけ特別な夜を過ごせるはずだ。

キャンドリア
3本のキャンドルがセットでき、灯す本数で明るさを調節できる。“光の小さなシャンデリア”のようで、ガラス越しの揺れる炎が重なりあい幻想的で存在感を発揮する。スペアキャンドルのシトロネラは虫除け効果があるので、玄関先や窓際に置いておけば、防虫になり、さり気ないインテリアとして一石二鳥にもなる。
キャンドルランタンソリッドブラス

真鍮製のフレームは創業当初から続くデザインを守り抜いている象徴的モデル。ガラスホヤのシンプルな構造ではあるが堅牢で、風からも炎を守る高い信頼性を誇る。また真鍮ならではの経年変化を楽しめ、煤やロウソクの燃え跡など灯せば灯すだけランタン自体に愛着ある深みがでてくる。

キャンドルランタン

アルミボディにポップな色合いを施し、カラー展開は5パターンになっている。カラーバリエーションが豊富なので、キャンプサイトや部屋に合う色合いを選び出せるはず。ビーズワックスのキャンドルはミツバチの巣から採取した蜜蝋で作られ、100%天然素材なのでアロマ効果が期待できる。また災害時の灯りとしてはもちろんで、アロマの匂いを嗅ぐことで不安や緊張を緩和させ、リラックス効果に繋がる可能性がある。

ミニキャンドルランタンキット

ティーライトキャンドル専用タイプは丈夫で手のひらに乗るほどのコンパクトサイズだ。キャンドルは量販品でも対応可能に。メインのランタンとしては光量が弱いので、サブランタンとして、また導線などの目印としても活用できる。

 それに加え、UCOキャンドルランタンシリーズには、本体をより快適に、長く使うためのオプションが充実している。専用のネオプレーンケースは、衝撃や傷から守り、持ち運びや保管時に安心できる。リフレクターを装着すれば光を反射させ光量を拡散してくれる。テーブル周りを柔らかく照らすことができ、キャンドルランタンの魅力をさらに引き出してくれる。

 大事に扱えば、劣化や消耗が遠ざかり、一生モノのギアとして灯し続けてくれるに違いない。

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猪野正哉

焚き火マイスター/アウトドアプランナー。焚き火好きが高じて、雑誌のライティングからテレビやYouTubeの焚き火監修、焚き火講師も務めるまでになった。著書に『焚き火の本』『焚き火と道具』(ともに山と渓谷社)がある。

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