Dynalock Explore フィールドレポート by 塚原聡

ストレスフリーなギアのお話し

MSRアンバサダー ガイド 塚原 聡

バックカントリーで安全に楽しく行動するためには、雪山での経験や知識のほかに、道具や装備もリスク軽減や迅速な行動をするための重要な要素となります。

特に、スノーボーダーが深雪で行動するためにはスノーシューと伸縮式ポールは必要不可欠なギアですが、スノーシューを使わないスプリットボードでも必ず伸縮ポールは使用しなければなりません。

しかしながら、僕の 20 年のガイド経験の中で、もっともストレスのたまる道具がこの伸縮ポールでした(笑)。

その理由として、過酷な状況の中で最も使用頻度が高いため、まめにメンテナンスをしないとすぐに不具合を起こしたり破損につながったり、また、グリップがしっくりこないものや、重さと形状のバランスが欠けているものもあり、腕や肩に負担が掛かかってしまうことが多かったためです。

そんなストレスの多い伸縮ポールのイメージを覆したのが、この MSR ダイナロックエクスプローラーポールでした。

まず、一番感動したのはその軽さと振り子動作をした時のバランスの良さ!超超ジュラルミンと言われる航空機にも用いられる高強度で軽いアルミニウム合金を使用し、一本が 276g という軽さでありながら、バランスの良いテーパー(先細り形状)で、肩や腕に負担のないストックワークを行えます。他のポールを振って比べてみるとその違いはすぐにわかるでしょう。

そして、伸縮ポールでもっとも重要で頻度の高い収納や長さ調整は、このポールの特徴でもある『ダイナロックシステム』によって簡単に行えるようになりました。

力の要らないシンプルなロックレバ ーとダイヤル式の締め付け作業はまさに今までのストレスを解消してくれた特筆すべきシステムです。

この他にも、耐水性に優れ、紫外線に強く、低温下でも硬くなりにくいエヴァ樹脂を素材にした『EVA グリップ』と、ループを自在に調整できるストラップにより、握り易さと持ち手の微調整も簡単に行えるようになりました。

また、スノーシューやスプリットボードのヒールリフトをあげるために、スノーバスケットやグリップ先端がフック形状になっているのも心憎い演出です。

ちょっと褒め過ぎなぐらい良いとこばかりのこのポールですが、僕の自慢したいバックカントリーギアの仲間入りをした『MSR ダイナロックエクスプローラーポール』、ぜひ皆さんも機会があれば使ってみてください!!

塚原 聡 (SATOSHI TSUKAHARA)

出身地: 北海道
北海道バックカントリーガイズ代表/日本山岳ガイド協会山岳ガイドステージ I・スキーガイドステージ II/JANレベル1
主な活動エリア: キロロニセコ周辺、大雪山系、利尻、知床、中央・北アルプス
北海道バックカントリーガイズ(Hokkaido Backcountry Guides):http://namaranokuni.com
世界でも屈指のパウダーエリアであり、美しい海岸線をもつ積丹半島の入り口に位置する赤井川村をベースに、ガイド活動を通して北海道の四季の魅力を伝え続けている。

記事を共有: